201系が登場したのは1979年です。
正確には試作車が1979年、量産車が1981年に登場しました。
その1979年登場の試作車には試作要素が多数あります。
そのひとつがこの行先表示機です。
この特集では試作車搭載モデル(ID-6B)と量産車搭載モデル(ID-6D)の違いをご紹介いたします。
![]() よく目にする、ID-6D型、量産車搭載モデルです。蛍光灯安定器など上部機器が機器取付板に取り付けられるなどされて、うまくまとめられています。 |
![]() こちらが試作車に搭載されているID-6B型です。蛍光灯安定器など上部機器は直接天板に取り付けられています。 |
![]() ID-6D型の裏側です。見た目でも機器がうまくまとめられている印象を受けます。右側の制御箱が特徴的です。 |
![]() ID-6B型の裏側です。機器取付板が無いため、機器配置がID-6D型とは異なります。 |
![]() 上部です。奥が6B型、手前が6D型です。 |
![]() 奥が6D型、手前が6B型です。機器配置が異なっており、制御箱の長さも異なります。(6D型:26cm、6B型:23cm) |
![]() 奥が6D型、手前が6B型です。配線方法も異なっており、6B型では安定器なども直接天板に取り付けられているのがわかります。 |
![]() ![]() 正面から見て右側のモーターがある部分です。左が6D型、右が6B型になります。コンデンサーのとりつけ方、配線コードの色が異なっています。配線コネクターも両タイプ共、同じ七星科学研究所製ですが、種類が異っています。 モーターは両タイプ共にJAPAN SERVOのRM6PMです。 |
![]() 6D型の制御箱裏側です。横幅は26cmとなっています。「201系側面」で201系で使用されたことを示し、「17.5.6」で検査年月日を示します。 |
![]() 6B型の制御箱裏側です。横幅は23cmとなっています。「M201-904」、「201系側面」に「試作」という文字があり試作車で使用されたことを示しています。「H12.1.24」は6D型と同じく、検査年月日です。 |
![]() 6D型制御箱内にある回路板です。ここで指令器からの電圧を解読してコマを適切な表示にします。 |
![]() 6B型制御箱内回路板です。6D型とは違う構造になっています。6D型と回路板共通化が図れないのでメンテには苦労したことかと思います。 |
![]() 6D型、裏から見て左側の検知ピン付近です。検知関係の配線はすべて裏側中央から天板に通される仕組みになっています。 |
![]() 6B型、裏から見て左側検知ピン付近です。6B型では検知関係の配線は主に左側を通しています。 |
![]() 6D型、コネクター付近の配線です。各種機器が機器取付板に取り付けていて、一部電子部品の場所を移したためスペースが空き、検知ピンを覗くことができるようになっています。 |
![]() 6B型、コネクター付近の配線です。各種機器が天板に取り付けられており、6D型では蛍光灯脇に移動した電子スタータも6B型では天板に取り付けられています。 |
![]() なんと6B型の天板はネジをはずすと開くことができる構造になっており、検知ピンはここで見ることができます。 |
![]() 6D型の裏側から見て蛍光灯左側です。蛍光灯への配線はビニールカバーがついています。 |
![]() 6B型の裏側から見て蛍光灯左側です。蛍光灯への配線は途中からビニールカバーが無く、蛍光灯ソケット台座の取付方法が異なっています。このことから、幕番号が裏側から見ることができず、上の6D型で改善されたようです。 |
![]() 6D型の裏側から見て蛍光灯右側です。6D型では電子スタータをこの位置に移動することにより、天板の機器をうまくまとめることができたようです。 |
![]() 6B型の裏側から見て蛍光灯右側です。電子スタータは天板にあるため配線のみとなっています。 |
![]() 6Dの裏側から見て右側です。電子スタータがあるため切り欠きがあるのが特徴です。その切り欠きが配線を通す役割もしています。 |
![]() 6B型の裏側から見て右側です。6D型とは違い、電子スタータは無いため配線を通す穴のみがあります。 |
![]() 6D型の表示機取付方法は下の部分を車体側にはめこみ、上をネジをしめるだけという簡単な構造になっています。写真はネジの部分です。 |
![]() 6B型の表示機取付方法はID-4系列(103系などの同期進段式)表示機と同様の表示機左右の切り欠き部分からネジを車体側にしめて取り付ける方法となっているため、天板に6D型のようなネジはありません。 |
![]() 機器取付板に取り付けられた蛍光灯安定器等です。6D型ではこのように取り付けています。 |
![]() 6B型では直接天板に取り付けられています。 |
![]() 6B型の製造銘板です。製造年月、78-12は試作車が登場する数ヶ月前です。 |
![]() 6D型の製造銘板です。製造は小糸工業株式会社および森尾電機株式会社が担当しています。 |
![]() モーター下おさえバネパーツです。6D型ではひとつのみとなっています。また、モーターの配線は裏側に行われています。 |
![]() 6B型のモーター下おさえバネパーツです。6B型ではバネが従来の2つとなっています。また、モーターの配線は表側に行われています。 |
![]() 最後にモーターのスピードを紹介します。両機械を17番目から動かします。左が6B型、右が6D型です。 |
![]() 6B型が1コマまわると6D型はちょうど17番と18番の間でした。 |
![]() さらに6B型が1コマまわると6D型は18番をまわったところでした。 このように、6B型と6D型では6B型のほうがかなり早いようです。(表示機によって個体差もあるようです) |
このように試作車に搭載された6B型、量産車に搭載された6D型はだいぶ異なっています。 しかし、すばらしいのは6B型も量産車の指令器で動くことで、外見はことなるものの機能面では6D型とまったく一緒でID-6B型は201系試作車の他、105系、711系でも使用されているようです。 ニコニコ動画に京葉旧幕の回転動画を載せています。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。 2010/1/21:新規公開 トップに戻る |