1981年7月、鉄道界に激震が走りました。
1979年に中央線の101系、103系を置き換える目的で試作車が製作された201系、その量産車が登場したのです。
その記念すべき量産車第1号車として製造されたのがこの「クハ201-1」で、
試作車に引き継いで当時としては最新のテクノロジーを搭載しました。
チョッパ制御装置、ラインデリア搭載、電車では初の横軸式マスコン(MC60)搭載などが例にあげられます。
1981年10月、営業運転を開始し、国鉄民営化後も中央線の第一線で活躍しました。
1987年に差込式ヘッドマーク枠の取り付け、1993〜94年にかけて電照式ヘッドマーク、スカート(排障器)の取付、1996〜97年に列番表示機のLED化が行われました。
そして2008年1月、現役を引退しました。
現役を引退後は豊田車両センターに留置されています。
現役時のクハ201-1
2008年10月、学校の部活動の一環として豊田車両センター見学を行いました。
車両センター建物屋上から留置線及び本線を撮った写真です。
以前は殆どの車両が鋼製の201系で朱色1号が鮮やかでしたが、現在はステンレス車両のE233系が留置線の殆どを占めています。
写真では本線にE351系スーパーあずさ、一番奥から一本手前の留置線にクハ201-1がいます。
201系とは関係ないですが・・・清掃線?です。豊田車両センター公開イベントが以前ありましたがその際、201系が3本留置されていたところです。見学時には両端にE233系、真ん中に115系訓練車がちょうど止まっていました。
以前はオレンジがたくさん居た留置線です。
手前からE233系モハE232、E233系青462編成、115系豊田車M2編成快速むさしの号、115系豊田車編成、115系長野車C2編成、E233系H44編成、115系豊田車M4編成、E233系T15編成、E233系H51編成です。
かつて201系の廃車が進んでいたころ、廃車を目前に控えた車両が留置される通称「廃回レーン」と呼ばれた留置線です。現在は通常の留置線として使われています。
本命の「クハ201-1」です。
まずは普段見られない後姿からごらんいただきましょう。
JR化後、転落防止幌の取り付けに従い、妻面の清掃ができなくなるため妻窓が埋められました。
そのほか、「日本国有鉄道」のプレートが「JR東日本」になりました。
クハ201-1
車内の妻面側です。
右側は側面行先表示機、真ん中は号車札差し、上は形式プレート・・・と言いたいですが、残念ながら現在は盗難に遭い、形式ステッカーになってしまっています。
乗務員室です。製造当時からあるもので写真で量産化改造以前の試作車との違いをあげてみますと、車掌スイッチの形状、再開閉スイッチ盤のブザーボタン、メーターパネル、マスコン、マスコンとブレーキ弁の間にあるスイッチ、乗務員扉の窓ガラス手掛け、総括指令器です。
量産車の乗務員間連絡装置、ブレーキ弁はそれぞれ現役時代に交換されています。
背面機器です。左側が行先表示指令器、右側が総括指令器です。
行先指令器はかつてダイヤル下のスペースに駅名対照表がありましたがJR化後の特別快速の中央特快、青梅特快への種別変更の際、方向幕を変更したため(首都圏幕→中央線、武蔵野線用50コマタイプ幕
or 中央線武蔵野線用70コマタイプ幕)、対照表は指令器下にシールが貼り付けられました。
現在の幕はさらに交換され、通勤特快等が追加された67/70コマタイプです。
(67/70コマタイプは分割可能編成のみで、現在までに廃車となった分割可能編成の数編成はこのタイプではない幕がありました)
背面上側の機器です。左上はATS未導入警報装置、真ん中上は扇風機、右はおそらくモニタスピーカーの代わり、真ん中はATS-P関係のスイッチ、ATS-P関係のスイッチ箱の右にあるのが上にある扇風機のスイッチです。
扇風機にはまだ「JNR」のマークが残っています。
運転台左側の機器です。
左上からATS機器ユニット、直通予備ブレーキ、現示ベルです。
乗務員間連絡装置と仕業表差しです。
前面行先表示機が入っているカバーです。
担当の方にお願いして蓋を開けさせていただきました。
中には貴重な67/70コマタイプ幕がついている前面行先表示機です。
使いこまれた感じがする運転台です。
左上からメーターパネル、マスコン、タンブラスイッチ、ブレーキ弁です。
上から非常ブレーキスイッチ、再開閉スイッチユニット、車掌スイッチです
(この部品も持っていますので今後鉄道部品展示室内のスイッチ関係にて公開する予定です)。
編成札裏側です。
編成は組んでいませんが編成札は現役時のまま。
表側にしてみました。
左上からATS-P表示機、防護無線装置、停車駅誤通過防止装置ランプ、合図灯置き
停車駅誤通過防止装置です。
テールライトです。かつては電球式でしたが、現在はLED式に変更されています。
中央線201系の象徴、電照式ヘッドマークです。
私はコレの巻き取り器とオレンジの外枠がほしいんですが・・・なかなかないんですよね。
譲ってくれる方がいたらありがたいですが・・・。
現役を退き、ひっそりと佇むクハ201-1です。
長い間、留置されていたためにちょっと車体の朱色1号が色あせてきた気がします。
左上から列番表示機、ヘッドライト、前面行先表示機、左下からテールライト、電照式ヘッドマーク、テールライトです。
最後にこの車両の行く末ですが、担当された方によりますと2008年10月現在、このクハ201-1は時期は未定ですが、鉄道博物館に収蔵されることが決定しているとのことです。
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今回、豊田車両センターに見学するにあたって、ご協力をいただいた豊田車両センターの関係者様及びJR東日本八王子支社様にはこの場を借りて御礼申し上げます。また、写真は予め撮影の許可がおりております。
この見学を行うにあたっては学校側から公式に予約をしております。よって個人で行ったことではありませんので、JR及び豊田車両センターなどの現業機関へのお問い合わせはご迷惑となりますのでご遠慮ください。また、写真の無断転載などもご遠慮ください。
最後までごらんいただき、ありがとうございました。
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